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人は何故生き返らないのか

ノウサギ Photo by polandeze

 アフリカのコイコイ人の神話。

 昔、月が人間を不死にしてやろうと、兎を人間たちのもとに遣わした。
 月が兎に持たせた伝言は「私が死んでも生き返るように、お前たちも死んだら生き返るがよい」というものだった。
 ところが兎は「私が死んで生き返らぬように、お前たちも死んだら生き返ってはならない」と伝えた。

 兎は帰ってからこのことを月に報告。月は怒り、棒きれを投げつけて兎の唇を割いた。兎は逃げ出し、そのまま今でも割けた唇をもって走りつづけている。
 また、このとき兎が逃げる前に思い切り月の顔をひっかいたので、その傷跡が月面の影になって見えるのだとも。

◆ 参考文献

大林太良・伊藤清司・吉田敦彦・松村一男 編『世界神話事典』角川書店

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