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縄文土器に描かれた蛙
Photo by rainforest_harley
縄文土器のなかには蛙が描かれたものがあります。
蛙は神話のなかでは死の領域に近いところに住まう動物だとされますが、縄文土器に描かれた蛙の背中には女性器が描かれていたり、新生児の顔が描かれていたりします。
これは死の領域から生命が生まれることを現わしているようです。
縄文人は生と死を別のものとは考えずに一続きのものと考えていたということなのでしょう。
縄文時代中期の集落は、広場を中心にして周りに住居が取り巻いている環状集落の形をしていることが多いのですが、その広場には死者の遺体が埋葬されています。生活の場の中心に墓地があるのです。
生の中心に死があり、死の中心に生があるという思想を縄文人たちは持っていたのかもしれません。
弥生時代になると墓地は集落から離れた所に作られるようになりました。
◆ 参考文献
中沢新一『神の発明 カイエ・ソバージュ〈4〉』講談社選書メチエ