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猪と蛙の競争
Photo by Noël Zia Lee
マダガスカル島に伝わる話。
昔々、猪と蛙が平地から山頂まで競争することとなった。猪が飛び出すと、それと同時に蛙がその猪の首の上に飛び付いて留まった。 蛙の身は軽く野猪の首の皮は厚いから猪は一向に気が付かない。今一足で山頂に達するという瞬間、蛙は猪の首から跳んで先に山頂へ着いた。
猪は悔しがり、今度はどちらが跳べるか競べてみようと言う。猪と蛙は川辺に行き、1、2の3で跳び出すそのときにまた蛙は猪の首に飛び付いた。蛙は、猪が川の彼岸へ跳び下りる前に、その首から離れて地へ下りた。猪は眼を赤くし口から白い沫を吐いて降参した。
◆ 参考文献・参考サイト
南方熊楠『十二支考〈上〉』岩波文庫