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王になった獺(カワウソ)の子
Photo by Tambako the Jaguar
ベトナム丁朝建国者、丁部領(924年〜979年)についての伝承。
丁公著(ベトナム後楊朝の将軍)の妾が、華閭洞という所にある深い池のほとりで洗濯をしていた。そこへ1匹の大きな獺(カワウソ)が現われ、妾と交わった。
やがて妾は1人の男児を産んだ。その子の父親がカワウソであることを妾は秘密にしていたので、丁公著は自分の子と信じて可愛がった。
やがて丁公著が死に、カワウソが村を訪ねたが、村人に捕らえられ、煮られて骨だけを残して食べられてしまった。妾はカワウソの骨を集めて、子にこれが父親であることを教えた。
その子は成長して丁部領と名乗り、ベトナムを統一してベトナム丁朝を建国し、後世には丁先皇と尊称された。
◆ 参考文献
大林太良・伊藤清司・吉田敦彦・松村一男 編『世界神話事典』角川書店