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兎に変えられた男
Photo by polandeze
アフリカのサン人の神話。
昔、月は人間たちに「私が死んでも生き返るように、お前たちも死んでも生き返れる」と言った。
ところが、この月の言葉を信じないひとりの男がいて、母親が死ぬと泣きわめき、月が「お前の母親は眠っているだけでじきに生き返るのだ」と教えても、男は「母は死んだ」と言い張って月の言うことを信じなかった。
月はしまいに怒ってしまい、男を殴り、口を割き、兎に変えてしまった。そして、この兎には、いつも犬に追いかけられ、捕まれな八つ裂きになって殺される運命を与えた。
そして、人間たちには、死んだら生き返らずに死んだままでいるようにしてしまった。
◆ 参考文献
大林太良・伊藤清司・吉田敦彦・松村一男 編『世界神話事典』角川書店