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王になった野ウサギ
Photo by polandeze
東北ナイジェリアのジュクン族の神話。
あるとき、原野からたくさんの野獣が町に襲来し、町の住民を呑み尽くしてしまった。野ウサギだけが木の洞で昼寝していて難を逃れた。夜になると、野ウサギは町を脱出し、苦難の旅の末にチドン神のいる山にたどり着いた。野ウサギはチドン神に助けを求めた。
チドン神は野ウサギに三つの卵を与えた。野ウサギは第一の卵を使って大河を渡り、第二の卵を使って野獣を退治し、第三の卵を使って町の住民を生き返らせた。野ウサギはこの仕事が終わると、瓢箪のなかに閉じこもった。
町の住民は野ウサギが王になることを望み、野ウサギに瓢箪から出てくるように請願し、さまざまな歌舞を行なった。野ウサギはようや瓢箪から出て、最初の王となった。
◆ 参考文献
大林太良・伊藤清司・吉田敦彦・松村一男 編『世界神話事典』角川書店