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狼に守られた藤原忠衡
Photo by Tambako the Jaguar
奥州平泉の藤原秀衡(ふじわらのひでひら)が、妻が身籠ったお礼に熊野参詣した。秀衡はその旅に妻を伴う。
熊野本宮に参る途中、滝尻で、妻はにわかに産気づき、出産。
赤子を連れては熊野詣はできないと、その夜、夢枕に立った熊野権現のお告げにより、滝尻の裏山にある乳岩という岩屋に赤子を残して旅を続けた。
子は、山の狼に守られ、岩から滴り落ちる乳を飲んで、両親が帰ってくるまで無事に育っていた。
この子が後の泉三朗忠衡(いずみさぶろうただひら)である。
この熊野権現の霊験に感動した秀衡は、滝尻の地に七堂伽藍を建立し、諸経や武具を堂中に納めたという。
◆ 参考文献・参考サイト
南方熊楠『十二支考〈上〉』岩波文庫