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蛇の脱皮
Photo by furryscaly
東アフリカのガラ族の神話。
昔、神はホワラカ(神の羊の意)という鳥を人間たちのもとに遣わした。
月がその鳥に持たせた伝言は「年老いて弱ってきたら、皮を脱ぎ若返っていつまでも死なずに生き続けるように」というものだった。
その鳥は神から大切な任務のしるしに立派なとさかを与えられて出発した。
ところが途中で、蛇が腐肉を食べているのを見て、それを食べたくなり、食べさせてもらう代わりに、人間に伝えなければならない神からの伝言を蛇に聞かせてしまった。
それで、蛇は皮を脱いで若返ることができるようになり、人間は老いれば死ぬ他なくなった。
ホワラカは罰に、常に病気に苦しむ運命を神から与えられ、今でも羊の鳴き声に似たうめき声を出しつづけている。
◆ 参考文献
大林太良・伊藤清司・吉田敦彦・松村一男 編『世界神話事典』角川書店